批判するのは気持ちいい?!

「間違っている」あいつを
正してやらねば!
#1

弱者のルサンチマン

僕の職場に嫌な奴がいる

本当に意地悪で、影でみんなから嫌われている。みんながどれだけ迷惑をしているかをわからせなければならない。

その人について教えてください。

なるほど。大変ですね。そして、彼を正してやらなくちゃいけないと思っているんですね。

確かにそういう人はいますよね。

実際に彼がそんなふうに思わせる何かを持っていることも確かだと思います。
あなたの言うことは間違っていないかもしれません。

こんな言葉を知っていますか?

弱者のルサンチマン

自分の立場のつらさ、悔しさを
弱い立場にある自分が「正しく」
強い立場にある相手が「悪い」という形に
作り変えてくれる便利な魔術が
「ルサンチマン」です。

さあ、以下詳しくみていきましょう!

社会の基本の成り立ち

それぞれの場のルールに沿って
人は評価されている。

家庭ならそれぞれの役割関係をしっかりと果たすことで評価されます。
学校では、良い成績をとったり、良い友人であったりすること、
会社ではよく仕事をするとか一定の業績を上げるということが評価されます。

人間関係がうまくいかない時

自我がぶつかり合っている

人間関係がうまくいかない時の構造

他者との関係がうまくいかないとは、つまり、
その共存している場の中で、「自我(マイルール)」がぶつかりあっているということです。

何が大事か、何がよいことかについて、少しずつ考えがズレている。
そして、そのことで気持ちが乱れる時は、考えのズレに加えて、
その場の中で 相手が自分よりも有利な立場にあるものです。

この時まず、相手が間違っている、不当である、理不尽であると考えたくなります。
この理屈を補強することができる
魔術があります。

〜 自分を" 正当化 "する魔術 〜

現実の「苦しさ・惨めさ」を
「不当なものへの怒り」に変え、
自分の存在を支える。

「正義感のような怒り」=「僕の存在の正当化」!?

まさか、自分のみじめさから目を背けるために、僕が彼を悪者にしたて上げてたなんて。
彼だけが悪だと信じて、疑っていなかった。

でも、この気持ちをどうやって、収めたらいいんですか?
彼への怒りから、どうしても抜け出せません。実際何度も傷付けられています。

「自分の考え」を横に置いて、「他者の視点」で考える

あなたの怒りや、信念は一旦、横においておいて
彼の信念を、彼の視点で、見直してみよう。
コツは、あなたの視点ではなく、彼の視点や、会社のルールを基準にする。

具体的にノートなどに書き出してもいいかもしれません。
あなたが見えていない、あなたの知らない
価値観(ルール)が存在していることがわかるまでやってみてください。

あなたの捉え方だけが、絶対ではありません。

確かに、
彼は実際すごいところはある。

正直、彼の言っていることも、一理あるなとは思います。
それに、仕事に対しての責任感も実績もある。
だけれど、彼のやり方はやっぱり許せない。

愛せない点は、
一旦おいといて

怒りから生まれる批判や理論は、
どれだけ正しかったとしても 、相手を説得することはできません。

想像してみてください。あなたを批判的に見ている人からの意見を、あなたは素直に受け入れることができるでしょうか?
結局は、双方のルサンチマンを掻き立て、ただ双方の人生を潰すだけです。

この言葉を覚えておいてください。

「 愛せない点は、一旦おいといて 」

私たちは、自然にでてきた感情を一瞬で消すことなどできませんが、
一旦横に置いてください。
その上で、あなた自身は、どんな人生をおくりたいか、
今ある有限の時間や資質を使って、楽しい時間をどう育てていくか、に力を注いでください。

簡単ではないですが、ちょっとずつ、実践していけるはずですよ。

哲学的に
言うと…

「愛せない場合は通り過ぎよ」とは

哲学者ニーチェの著書「ツァラトゥストラはこう語った」の中に登場する有名な一節です。

人間は、否定や破壊のためではなく、自分自身の価値を創造するために生きる存在です。
愛せないものに人生を消耗するな。
愛せるものを見つけ、それを創造することに力を使えというメッセージです。

次回は、「現象学的態度」です。
自分の価値判断を「一旦、おいといて」物事を見れる様になると、見えてくる世界がある?!
お楽しみに!

今回のおさらい

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参考
竹田 青嗣著
『自分探しの哲学』(主婦の友社)
「第3章 ルサンチマン」